翻刻
「右帖」
かへ岩間に火を燈し是を取り集ると
いへり若又是を猥に取ると急度/禁(いまし)め
被成とかや毎年役人是を改/厳重(げんじう)成る
事共也或年主人が隣家に黒坊の国人
件の巣(す)を盗み取りて爰に売に来りける
折節国の役人町を通り掛け右の売物
をちらと見付け其家に入込扨■■詮
儀に及けり依之様々に偽りけれ共
「左帖」
役人弥手強く吟味するに詮方つきて
件の黒坊の国人役人の帯(たい)せし刀(かたな)をぬき
取り二人の役人の腹を指通し釼を捨て
逃出けり其時孫七は門口に有りしか
何やらんと見ければ男こ壱人うろたへたる
躰にて右の家ゟ逃げ出て山路方へ急
けり其路ゟ壱人/腹(はら)を押へて追掛け
しに此門と口にてたをれけり腹(はら)ゟ足(あし)に