翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

「右帖」 陸奥と走りけり斯而七月廿日は材木も 揃ひつゝ立ち火の小泊といへるゟ出帆して 順風えいと心よげに帆足を延はして走り けり湊を離れ拾四五里沖の方へ出し時 何とかわしたりけん飯焼の源蔵帆足に はねられ櫓ゟうずまく浪に落入ける是は と舟中立騒き忽ち帆おろし碇を入る筈を なげ込水竿を流しおよげ〳〵と声をかけ 「左帖」 見れ共浮きし形チも見へす是は■に後れ しとてんまをおろし漕戻し夫と覚き 浮者も見へす今年十九の秋の草露の 命そはかなけれ跡白波と詮方なく 帆をあげ舟を走り行■離れに舟中 袖をそしぼりけり夫ゟ南部才浦と云 所に着き十日余りも逗留し源蔵が代 りの人を才覚す折に幸貞五郎と云者を