翻刻
「右帖」
酒売るはちやんめらを吹く醤油酒油
等には鈴(すず)をふり肉物豕羊鶏等は小太鼓
を打つ也皆荷ひ人をつれたり初の程は
分かりかねしが次第に馴れて何は何をなら
すと心得て入用次第に呼入けれ此所は黒
坊の借地なれば所の悪者常に来り我
侭なる事多くして町の者共は是に
甚恐れけり常に盗人の事多くして
「左帖」
国主ゟ打捨ててせよ迚家来に至る迠
釼一ふり鉄砲替し置町々ゟ五六人宛
夜々番を勤けり扨又此川内に不思(ふし)儀
なる者こそ住居けり其形ちは絵に
見る龍の如し口びる鼻の当りいかめし
く左右は長き髭(ひげ)あり耳長くして龍の
角(つの)なき如き者也手足合而四ツ爪四つ六尋
七尋拾三尋を長とす往来の船を決而