翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 56

ページ: 56

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「右帖」 切られし人は療(りやう)治にかなわず明の日中 に死にけり       下の巻 去程に孫七は思の外の国に来て嬉しい やら又折々は我古郷の事のみをおもひ出 せば我袖のかわく間こそはなかりける いや〳〵なげくましくやむまし老少 不定の世の中なれはかゝる事も前世の 約束事とおもひ込しほれぬ亭(てい)して 「左帖」 勤めけり扨又此所に芝居の様成事二 三日始りける此所の仕付け迚女は四拾有余 にならねはかゝる見物にも行く女なし 七歳ゟ女は外を見ず孫七心の内に おもひけるは我か朝の古郷には三四月 或は八九月頃は芦(あし)屋の浦ゟ勘四郎組 又はらい蔵組或は五十(いが)嵐(あらし)組抔折々参り けれは老若の女共は踏(ふむ)む所も不覚踊の