翻刻
「右帖」
場所にては色(いろ)事をいたすやら様々の事
を云てほめるやら言語道断の有様也
此所は夫に引きかへ女は七歳より外(ほか)を
見ず是が女の誠の仕付け共ならん我れ
朝のいやしき女に此まねなりといたさせ
たき者成りと心の内に思ひけり今年八月
に主人の弟カンへン官に縁だん済み今日吉日
迚娵迎ヘの用意ありけり先/聟(むこ)の方ゟ
「左帖」
嫁の所へ送ける其品々には衣類三通り
箱に入れ持ち運ぶ金のゆびかね六ツ并
金の輪二つ箱に入れ壱人にて持也扨又
金銭百二拾文を箱に入れ持つ《割書:壱文に銀|拾匁にかへ》
草履(ぞうり)壱足踏皮壱足壱人にて持つ焼
酒二瓶壱斗入り也台にすへ四人にて是
を持運ぶ大ひなる蝋燭弐丁是を二人
にて持つ豕鶏羊等鴨壱番二人にて