翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 61

ページ: 61

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「右帖」 奥には虎も居る又尾長き猿多し 人小勢なれば命失ふとそ此者は 定而猿に取られしやらんと人云あへり かゝる手荒き事は目馴れさる事な れはいとゝ心も静ならざる住居なり 扨又黒坊の官人近国に行き此川下に 船掛りしける時同し川口にマダロスが大船 汐掛りして居たりける人数も五拾人余 「左帖」 乗りけると也黒が船は廿人黒坊工みける は此マダロスの船は国に寄る者に非ず殊に 余分の銀目を積みければ是をばいとり 殺さんとぞ計(はかり)りけり黒坊マダロスが船に 行て心安く物語して後ち茶酒に毒 夥(をびたゝ)敷入れて持参して是を振廻りけれは 此事を夢にも知らずに大勢集りて是 を残りすくなく呑みけれは忽酔(よ)ひ