翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 64

ページ: 64

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「右帖」 なして黒坊が真ん中にかねの柄杓を以て振(ふり) 掛ければ忽手をひ夥く出来けり福州の 船も三人鉄砲に当りけり大船なれば 黒坊も乗る事不能舟の底をゑりほ ぎ水舟になさんと工みけり鉄砲の音し げく聞へければ町々ゟ追々黒坊の役人江 注進す依之役人数拾艘の兵船を しつらい鉄砲を横こ雨のふる如く打かけ 「左帖」 ければ黒坊の海賊共は手向もならざれば 我先にと舟を立てかへ漕逃るをば追 告〳〵鉄砲を放ちけるに大勢死するも有 残りし者は八方に逃散り其行方は 知れざりき町ゟ追々船を出して福州 舟を湊に引入れけるに福州船の手負改る に壱人腕を打ぬかれ壱人は股を打ぬかれて 半死に及ひけり今壱人は眉間を打た