翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 65

ページ: 65

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「右帖」 れて阿蘭陀が療(りやう)治に掛り二人は助かり 壱人は終に死にけり扨又此バンジヤラマワシ の町ゟは十里川口ゟは二十里上にして此国の 太守ありカビタンと云万軒の広地にして 繁栄也石火屋台所々にかまへて大堀有 大ひ成る橋有り高石垣は数里を築廻 して堅固なる要害也主人ゟ呉服の御 用として我も度も此所には参りし也 「左帖」 去程に孫七思ひけるは此所に来り最早 六年の春秋を暮しけるにさのみ苦(く)も無 不自由(ふじゆう)にもなく年を経たるが古郷の 恋しき事は寝(ね)ても起ても忘れ難く つく〳〵計(はかり)事を思ひ出して此国の人 父母兄に孝行成る事其類ひ決而 脇になし我は母にも早く離れ父にも 拾五歳の時死離れ兄壱人を父共母共