翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 69

ページ: 69

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「右帖」 船に乗せんとて辰の四月十三日金銭数 多/与(あたえ)へ給へはかゝる品を所持せしならば 還而身をや害せんと押しかへせば主人 も是を尤也とて品をかへ壱尺八寸の釼 壱腰与へらる其外は今迄身に添ひし 衣類小道具蚊帳迠残る者もなく 被_レ遣けり家内にも朋友にも今世は 是(これ)が限りとて暇乞(いとまごい)家内も老母も 「左帖」 門と送り情(なさけ)も深き御事にて互(たがい)に袂(そで)を ぬらしけり泪に曇る水鐘あしわけ 船に竽差(さをさし)して見帰り〳〵阿蘭陀が 元船差して乗りにけり此舟は阿蘭陀 が船には小船也高壱万石を積むといへり 水主梶取七拾余人とぞいへり十四日早 朝に川口を出帆し順風なれば帆数を 上げ昼夜ともなく走りければ海上凡