翻刻
「右帖」
千五百里とかや五月二日に阿蘭陀が出張
の国 咬■(ジヤガタラ)【〈口+留〉の異体字ヵ】陀大湊にぞ着にけり石垣(いしがき)
数里を築廻して渡り八丁は大川也
船を乗り入るれば右左に番所有り役
人に斯と届ければ帆柱に大綱を付け
馬二疋来りて船を引き入るゝ川内三里
計は小船に乗りかへ上り場有り町内
幅凡六間計にして右左は石畳(いしたゝみ)也中か
「左帖」
の方三尺計は土地にして美麗を尽
せし所也数万の城下と見へて皆家は瓦
葺(ふき)也船の者二三人我を案内して町内
拾町計も行て寺有り此所に我を
頼置二人は付添ひ壱人は町の内へ行き
此夜は是に止宿して翌三日の朝六つ
時我に来れと云ける間此者に付て行
けるが町内に大い成る門有りて大家也