翻刻
「右帖」
言上すと覚へける然るに右座成る老
人我れに向ひ日本人国へ帰りたきやと
云ければ我も頓首して御返し被下
候段難_レ有旨を云て蹲踞(うづくまる)老人又云
けるは明後五日日本への便船有り是
に乗せんと申けり後に聞くに大将の様
成る人をゼンダラリと云右座の老人を
ヲクロツヒとぞ聞へけり斯而我れを被連(つれらし)
「左帖」
し人我れを引て城門を出て又元の如く
に車に乗り右の所にぞ帰りける其夜
を明し五月四日役人と覚敷人四人
来りて元来りし川を下りける右左に
石火屋台構へ要害とし水門を戸
指して所の船迚夜の内は通らざりけり
扨門口には目馴れぬ大船数百艘中にも
日本通路の大船二艘は大ひ成る幡を