翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 75

ページ: 75

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「右帖」 ければ血流るゝ事夥ししたに大鉢を 置て血を受るに凡八升計り流てやみ ぬ一時計りの内にして牛の苦む事目を 当てられず其後吭(のど)を指切り皮(かは)を刷(は)ぎ 解きはなし水主中にも半斤宛掛け 渡しければ祝事限りなし下々は是(これ) を皆 生(な)まにて喰す扨此船に出帆して 昼夜三日乗りてグレバンと云島国有り 「左帖」 此所に船を掛け二艘待ち揃へて上八人 右の船に乗り移りて酒肉を持ちて 饗応(きよをう)す此船にも上八人なりければ相(そう) 談して是ゟ先々日本迠の海上同船 し萬事を云合せ一ツ心にて乗り渡す べしとの誓約也上八人常の居所は 艫(とも)辺の方 櫓(やぐら)と見へて釣り殿也浪 荒く風にゆられて船は片向共釣り