翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 76

ページ: 76

翻刻

「右帖」 殿は少も顧(かたむ)かす金銀の張り付け 壱ツの障子を明かして海上を見る天井 には金の雲龍を画(ゑが)き浪の光(ひか)りを写 して誠に生けるか如也遠目鑑台有 遠目鑑長さ二間計り回(めぐ)り一尺四五寸も 有る也釣り殿は二間計にして拾六畳 も敷べき也常に毛氈(けつと)を敷き渡し 朝夕 伽羅(きやら)を焼きて船中 薫(くん)ず帆数 「左帖」 を掛け渡し昼夜をわかず向ふ風も 淀(よとみ)なく走りけり指渡し壱尺余り の磁石の釘有り四拾八方に筋を引き 細かなる船の乗り様也夫ゟ十三日走て 沓嶋と云所あり此嶋近く船を寄(よ)す れば吸付けて離す迚三丁計も沖を走 りける此嶋を右に見て船は西北の方に 乗る爰にて同船少し後(をくれ)れければ