翻刻
「右帖」
帆を下げてぞ待居けり時に跡の方
より黒山の如き大船壱艘拾文字の
印を立て来るゾランケンと云国の船に
して阿蘭陀が船には倍(ばい)にふとし人
数も弐百五六拾人乗りけると云若又
此船取りかけ候得ば阿蘭陀が二艘にて
は決而不_レ叶迚大ひに騒動(さうどを)し兼而
阿蘭陀も用意やしたりけん此船も
「左帖」
拾文字の幡(はた)を立てにけり是同国の
船と見てゾランケン不_レ懸_レ目阿蘭陀
が計(はかり)事とぞ聞へけり其外石火屋の
数々玉薬を込(こ)め外に鉄砲百 棹(ちょう)出し
て是□玉薬を込(こ)めて其外 鎖(くさり)玉
《割書:鉄砲鎖に玉を繋(つな)ぎ|帆柱帆足に打付る道具也》等を夥敷取出し鎗
鉾の鞘をはづし用意をこそ(そ)は仕たり
ける孫七は■果(あぐみはて)是は又いかなる戦にも