翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 78

ページ: 78

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「右帖」 出来 適(たま)々是迄身を遁(のが)れ届もやらず 命を落すかと生きた心地ぞなかりける 此は夕暮に近ければ同国の船とや 思けん頓而【やがて】黒船は走り越けり物こそ 邪(あく)魔(ま)は払いしと皆々悦ぶ船寄に 又蘇生(よみかえり)し心地せり此船に出合候得は 海賊せらるとかた語りけり有る日水主 壱人 檣(ほばしら)に上り帆並を仕かへんとして 「左帖」 桁取ばつし櫓(やぐら)の上に落かゝりうん ともいわず死にけり役人に言上して 其侭死 骸(がい)を海中に打込けり其頃 船中に病に痛み寝たる者三人有り 又壱人の者見へざる由詮儀仕ければ 是又煩ふて引込し由役人に不_レ届 自由の至と引出し裸(はだか)になしうつ ぶしにししゆろ綱のちやんぬり仕たる