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【右頁】
粥(かゆ)を濃(こく)して食(くは)せ数日(すにち)の後(のち)に軟飯(やわらかなるめし)を与(あたへ)喫(くは)せて
よし
凡 飢人(うへびと)白菓(ぎんなん)を食(くらは)しむれば死(し)す慎(つゝしむ)べし
《割書:往歳(さきごろ)或国(あるくに)凶年(きやうねん)にて饑人(うへひと)杖(つへ)にすがりて男女(なんによ)老幼(ろうよう)|数人(すにん)街頭(まちのほとり)に徘徊(はいくわい)して後(のち)には飢(うへ)困(つかれ)或(あるい)は倒(たを)れ或は》
《割書:匍匐(よつばいにはい)徒(たゞ)に呼吸(こきう)あるまでなりしを行客(たびゝとの)中(うち)富商(おほあきうど)な|ど見(みる)に忍(しのび)ず食物(しよくもつ)を与(あたふ)るに食物(しよくもつ)は大抵(たいてい)摶飯(にぎりめし)なり》
《割書:し其 飯(めし)を喫(くらい)たる人(ひと)食(しよく)しおわると頓(にはか)に斃(たをれ)或は未(いまた)|半(なかば)も食(しよく)せず手(て)に持(もち)ながら死(し)せしとなり是(これ)其 与(あたふ)》
《割書:る人(ひと)々 右(みぎ)の法(ほふ)をしらざる故(ゆへ)なり惜(をしむ)べく哀(かなしむ)べき|の至(いた)りならずや慈仁(じじん)の心(こゝろ)あれども其 術(じゆつ)をしら》
《割書:ざればおもはず人を害(がい)する事あり|茲(こゝ)に記(しる)して後人の鑑戒(いましめ)とす》
【左頁】
縊死(ゑいし)《割書:くびれしするなり|くびくゝりしするなり》
凡(おほよそ)自(みづから)縊人(くびれたるひと)を救(すくはん)には必 驟(あわて)て先(まづ)縄(なは)を截断(たちきる)べからず
若(もし)妄(みだり)に縄(なは)を截(きれ)ば死(し)す《割書:妄(みだり)に縄(なは)を截断(きりたつ)ときはくゝりし|所(ところ)なを〳〵しまるゆへなり此》
《割書:理(り)をよく合(が)|点(てん)すべし》先(まづ)救人(すくふひと)はやく縊人(くびれたるひと)の背後(うしろ)へまわり
縊人(くびれたひと)の垂(たれ)たる両(りやう)の手(て)臂(ひち)のうへより聢(しか)と抱住(だきとめ)て
縊人(くびれたるひと)の身(み)少(すこ)し高(たか)くする心持(こゝろもち)に抱(だ)き別(べつ)の人 何(なに)
にても在合(ありあい)の物(もの)《割書:筥(はこ)の類(るい)又は舂様(うすやう)|の物(もの)抔(なと)をよしとす》を縊(くびれたる)人の足(あし)の
下(した)へ入(いれ)踏留(ふみとめ)になる様(やう)に置(おき)て抱(だき)たる人(ひと)も倶(とも)に其(その)