翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

広恵済急方 3巻 - 翻刻

広恵済急方 3巻 - ページ 221

ページ: 221

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【右頁】 已(すでに)溺水(おぼれ)たる人(ひと)を救(すくはん)とせば急(きふ)に水中(すいちう)より倒(さかさま)に 提(ひきさげ)出(いだ)し牛(うし)の背上(せのうへ)に横(よこ)に臥(ふさせ)て死(し)人の腹(はら)を牛背(うしのせ)に 合(あわせ)牛(うし)を索(ひい)て徐々(そろ〳〵)行(あゆ)めば腹中(ふくちう)の水(みづ)自(おのづと)吐(はき)出(いだ)す ○又方 溺(おぼれ)死(し)したるを救(すくふ)に白礬(みやうばん)の末(こ)を鼻孔中(はなのあなのうち)に 吹入(ふきいれ)熬塩(いりしほ)を臍中(ほそのうち)に擦(すりつけ)猪牙皂莢(ちよげそうけふ)《割書:薬店に|あり》末(こ)にして 綿(わた)に裹(つゝみ)穀道(ゐしきのあな)の中(うち)へ納置(いれをき)釜(かま)或(あるひ)は鍋(なべ)の類(るい)を地上(ぢのうへ)に 覆置(ふせおき)其(その)上(うへ)へ溺人(おぼれにん)を俯(うつむけ)に臥(ねかし)溺人(おぼれにん)の臍(ほそ)と釜(かま)の臍(ほそ)と を相(あい)合(あはせ)て脚後(あしのかた)を稍(すこし)高(たかく)し手を以て溺人(おぼれにん)の頭(かしら)を 【左頁】 托(かゝゆれ)ば口中(こうちう)より自(おのづ)から水(みづ)出(い)で活(いきふきかへ)すべし若(もし)口(くち)噤(つぐみ)て 開(ひらか)ざるは筯(はし)を横(よこ)に銜(ふくませ)てよし図(づ)と合(あは)せ見(み)るべし ○又 法(ほふ)溺人(おほれしひと)を水中(みづのうち)より倒(さかしま)に引(ひき)あげ平地(へいち)に置(お)き 溺人(おほれしひと)の背後(うしろ)より抱住(いだきとめ)前(まへ)にて藁(わら)を焚(たき)て火(ひ)の気(き)を 腹(はら)へあて烟(けむり)を面(おもて)にあたる様にすべし水(みづ)を吐(はき)出す 者(もの)なり若(もし)水(みづ)出さる時は抱(いだき)たる人 直(すぐ)に其(その)手(て)にて 嗢(うつ)と声(こへ)掛(かけ)ながら溺人(おほれしひと)の臍(ほそ)の次(あたり)をうへの方へ 按(おし)あぐべし水(みづ)出(いづる)ものなり此(この)法(ほふ)簡便(かんべん)なり何(いづ)れ