翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

広恵済急方 3巻 - 翻刻

広恵済急方 3巻 - ページ 229

ページ: 229

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【右頁】 颶風(つちかぜ)のとき野蠶(やまゝい)蜘蛛(くものす)の絲(いと)入目(めにいり)て瞇(いらつき)澀(しは〳〵)痛(いたみ)て開(ひら) かず両(りやう)の鼻(はな)より清涕(みづはな)を流(なが)すは上好(よき)金墨(すゞりずみ)を濃(こく) 研(すり)て新(あたらし)き筆(ふで)に点(つけ)て目(め)の中(うち)へ塗(ぬり)て目(め)を閉(とづる)こと 少時(しばらく)にして手(て)を以て目(め)を開(ひら)かしめて看(み)る ときは其 絲(いと)一つ所へ聚(あつまり)て白眼(しろめ)の上(うへ)に在(あ)るべし 新(あたらし)き筆(ふで)にて内眥(まかしら)の方(かた)へ軽々(そろ〳〵)摺(すり)よせて置(おき)無名(くすり) 指(ゆび)の頭(さき)にて鼻(はな)の方(かた)へ拭(ぬぐひ)出(いだ)すときは愈(いゆ)若(もし)いで ざるときは再(ふたゝび)塗(ぬる)べし○沙(すな)塵(ちり)草(くさ)木(き)石(いし)目中(めのうち)に入(いり) 【左頁】 たるは人(ひと)の乳汁(ちのしる)を多(おほ)く注(そゝぎ)入てよし○又方 書(しよ) 物(もつ)等(など)の間(あいだ)に生(せう)ずる所の白魚(しみ)《割書:図説下|にあり》を研(すり)つぶし 乳汁(ちゝのしる)に和(まぜ)て目中(めのうち)に注入(そゝぎいる)るべし最良(もつともよし)○凡 沙(すな)塵(ちり) 等(など)の眼中(めのうち)に入(いり)たるは柔(やはらか)なる紙(かみ)を引裂(ひきさき)て燃子(こより)【注】 となし其(その)人(ひと)を仰臥(あをにふさ)しめ軽々(そろ〳〵)と外眥(まじり)より拭(ぬぐひ) よせて無名指(くすりゆび)にて内眥(まがしら)の方にて鼻(はな)の方へ 払(はらひ)出(いだ)すべし○烟渣(たはこのやに)目(め)に入(いり)たるは湯(ゆ)などに洗(あらふ) とも愈(いよ〳〵)痛(いたみ)ますものなり新筆(あたらしきふで)或(あるひ)は乱髪(こゝりたるかみのけ)にて 【注 「燃」は「撚」の誤】