翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

広恵済急方 3巻 - 翻刻

広恵済急方 3巻 - ページ 26

ページ: 26

翻刻

【右頁】  なる者(もの)是(これ)也   凡(をほよそ)卒(にはかに)倒(たを)れて口(くち)ひらき手(て)撒(ひらき)眼(め)を合(ねむり)大便(だいべん)又は小(せう)   便(べん)をもらし鼻声(はないき)鼾(いびき)の如くなるは脱證(だつせう)にて虚(きよ)   候(こう)とす別(べつ)に療法(りやうぢのほふ)あり後条(のちぜう)に載(のせ)たり実証(じつせう)にも   目瞑(めをねむり)大小便(たいせうべん)をもらす者(もの)ありといへども其口   噤(つぐみ)手(て)を握(にぎ)るを以て実候(じつこう)とす虚候(きよこう)は口(くち)も手(て)も   ともに開(ひら)く是(これ)其(その)証候(せうこう)おのづから同(おな)じからざ   る所なり若(もし)視(み)あやまつときは療法(りやうほふ)も亦(また)大(をゝひ)に 【左頁】   誤(あやま)る心を用ひて診(しん)【左ルビ:しらべふ】すべし 〖療法(りやうほふ)〗卒然(にはかに)昏倒(むちうにたを)れば先(まづ)扶(かいほう)して煖(あたゝか)なる室(ところ)に入(いれ)て噴(くさ)  嚏(め)を出(いだ)す法(ほふ)を用(もち)ゆ可(べ)し其 方(ほう)は皂莢(そうきやう)細辛(さいしん)等分(とうぶん)末(まつ)【左ルビ:こ】  となし又は天南星(てんなんせう)半夏(はんげ)《割書:四味 共(とも)に薬舗(くすりや)|に有(あり)購(とゝのふ)べし》の末(こ)を鼻(はな)  の孔(あな)の内(うち)へ吹(ふき)入る可し右之 薬(くすり)なきときは胡椒(こしやう)  の粉(こ)を吹入(ふきいれ)てよし急(きう)に胡椒(こしやう)もなくは煙艸(たばこ)の粉(こ)  を吹入(ふきいれ)てもよし尤(もつとも)薬末(くすりのこ)鼻(はな)の内(うち)へ吹(ふき)入て直(じき)に頭(かみの)【左ルビ:つぶ】  髪(け)【左ルビ:り】を提(ひつさ)げてひき起(おこ)す可し其(その)時(とき)嚏(くさめ)出(いづ)るもよきし 【〖 〗は隅付き括弧】