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【右頁】
驚怖(おどろきをづ)るに因(よつ)て亦 此(この)證(せう)を発(はつす)るなり慢驚(まんきやう)
風(ふう)は此(これ)に似(に)たれども虚證(きよせう)なり別(べつ)に證理(せうぢ)を
左(さ)に載(の)す
〖慢驚風(まんきやうふう)〗大抵(たいてい)大病(たいびやう)の後(のち)或は大便(だいべん)瀉利(くだり)或は吐(ちゝ)
乳食(くいものをはく)こと数日(すにち)の後(のち)に俄(にはか)に昏悶(うつとりとなり)【注】驚搐(びくつき)竄視(うへをみつめる)
等(とう)の證(せう)あり
〖療法(りやうほふ)〗先 大抵(たいてい)艾灸(きう)をよしとす神闕気海(しんけつきかい)《割書:図(づ)|説(せつ)》
《割書:脱陽(だついよう)の條(ぜう)|にあり》章門(せうもん)《割書:図説 中風(ちうぶう)の|條にあり》天枢(てんすう)《割書:図説(づせつ)脱陽(だついよう)の|條(ぜう)にあり》の
【左頁】
諸穴(しよけつ)に灸(きう)すること数壮(すそう)なるべし扨(さて)熊膽(くまのゐ)を
独参湯(どくじんとう)にてとき口(くち)へ潅(そゝぐ)べし或は手足(てあし)
冷(ひえ)ば参附湯(じんふたう)《割書:上巻 中風(ちうぶう)の|條(せう)に出す》灌(そゝき)与(あたふ)べし醒(さめ)て後(のち)
も右の方を用(もち)ひ医(い)の来(きたる)を待(まつ)べし○或は痰(たん)
盛(さかん)なるは甘草(かんざう)一 味(み)多少(たせう)にかゝはらず煎(せん)じ
飲(のま)しむべし
〖疱瘡初発昏冒(ほうそうのしよはつにひきつくる)【注】〗状(かたち)驚風(きやうふう)のことくなるあり混淆(いちがい)
にすべからず其 初(はしめ)の證(せう)は呵欠(あくび)いで噴嚏(くさめ)し
【〖 〗は隅付き四角囲み線】
【注 「昏」は「くらむ」、「悶」は「もだえる」、「冒」は「おかす(おかされる)」の意。「昏冒」は「意識不明」の意。「ひきつけ(癇)」は「痙攣」。以上を勘案すると、「うっとり」は「昏冒」が、「ひきつけ」は「昏悶」が相応しい漢字。よって、6行目の「昏悶(うつとりとなり)」及び前コマ2行目の「昏悶(うつとりとして)」は「昏冒」の誤ヵ。また18行目の「昏冒(ひきつくる)」は「昏悶」の誤ヵ。尚、300コマ目5行目に「昏悶(ひきつけ)」とあり。但し、「昏」と「悶」が熟語と成すのには違和感が残る。】