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入井(にうせい)悶冒(もんぼう)《割書:井に入て悪(あし)き気(き)に|中(あたり)昏(むちうに)なり倒(たを)るゝなり》
春(はる)夏(なつ)の際(あいだ)或は夏(なつ)秋(あき)の間(あいだ)窖中(むろ)昝井(ふるゐ)の中皆 陰毒(ゐんどく)の
気(き)あり又山中 深谷(ふかきたに)の間或は金(きん)銀(ぎん)銅(どうの)坑(あな)の中 徃(ま)々
震気(わるいき)蒸(むし)騰(のぼ)す若(もし)人 此(この)気(き)に中(あた)るときは悶絶(もんぜつ)する事(こと)
あり久(ひさしく)不省(さめたる)を救(すく)はざれば死(し)す
凡(おほよそ)春(はる)夏(なつ)々 秋(あき)の際(あいだ)窖中(むろのうち)昝井(ふるゐ)久しく蓋(ふた)仕込(しこめ)たる
井戸(ゐど)に入らんとする時(とき)は燈火(ともしび)を入(いれ)見(み)るべし
火(ひ)消(きえ)ば毒(どく)あり入べからず又 鳥(とり)の毛(け)を其 内(うち)え