翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

広恵済急方 3巻 - 翻刻

広恵済急方 3巻 - ページ 75

ページ: 75

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【右頁】 〖疔瘡(てうそう)〗の状(かたち)初発(しよはつ)は僅(わつか)に粟粒(あはつぶ)許(ばかり)の小瘡(こがさ)にして痛(いた)み なし或は衣類(いるい)其外 何物(なにもの)にても物(もの)に触(ふれ)て忽(たちまち)疼痛(いたみ) を発(はつ)するあり或は惟(たゞ)微(すこし)痒(かゆみ)を覚(おほえ)るに就(つき)て抓(かき)破(やふる)と ひとしく忽(たちまち)疼痛(いたみ)を発(はつ)するあり然しなから尋(よの) 常(つね)の小瘡(こがさ)に比(くらぶ)れば四畔(ぐるり)の堆核(しこり)強(つよ)し紫色(むらさきいろ)を帯(をび)其 辺(へん)麻(しび)れ痛(いたみ)も常(つね)の小瘡(こがさ)と自(おのづから)異(こと)なり其上 悪寒(さむけ)発熱(ねついで) 四肢(てあし)沈重(だるく)心(むね)悸(わくつき)頭疼(づつう)頭眩(めまひ)等(とう)の証(せう)あり此 證(せう)種々(しゆ〳〵)の 変態(へんたい)定(さたま)りなし疔(てう)の生する所も亦(また)定(さたまり)なし頭(つむり)面(かほ)耳(みゝ) 【左頁】 鼻(はな)口(くち)目(め)の辺(へん)并に手足(てあしの)骨節(ふし〳〵)の間(あいだ)惣而 肉(にく)薄(うす)き所(ところに) 生ずるものなり急(きふ)に理療(ぢりやう)せざれば毒気(どくき)内攻(ないこう)し て死(し)に至るなり 〖療法(りやうほふ)〗急(きふ)に針(はり)にて疔(てう)の頭(かしら)の処を刺(さ)し悪血(わるち)を擠(お)し 出(いだ)し又は人をして吸(すい)出(いだ)さしむる尤よし疔(てう)の処 は肉(にく)強(こわ)く針(はり)しても痛(いたま)ざるものなり《割書:針(はり)は三稜針(さんりやうしん)|をよしとす》 《割書:無(なき)ときは物縫(ものぬひ)|針(はり)にてもよし》針(はり)したる跡(あと)へ後(のち)の傅薬(つげぐすり)并に服(ふく) 薬(やく)を用ゆべし然(しか)し針(はり)は手練(しゆれん)なくては事(こと)を誤(あやま)る 【〖 〗は隅付き四角囲み線】