翻刻
【右丁】
其中に溜(タマ)るを汲用ゐるこれ本朝食鑑に所
謂醤油なり又庖丁梯に麦(ⅡⅡ)ミソ(ⅡⅡⅡⅡ)に飴を加へ籠を
入れ汲用ゐるをも辺鄙にてはタマリ(ⅡⅡⅡⅡⅡⅡ)と称
る事をいへり
《割書: 奥南部|スマシ》○タレミソ《割書:饅頭屋|節用集》料理物語にはミソ一升に水
三升五合入れ煎じ三升に至りて袋中に
入垂れしめたるをいふ庖丁聞書にも
見へたり又/うすたれ(ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ)あり古書に見へ
【左丁】
たり《割書:四条流庖丁|書等》是料理物語に生垂(ナマタル)と称する
者なるべしミソ一升に水三升を加へもみ
たて袋に入たれ申候とあり以上並に醤
油の全美を尽さゞる時世に調鼎の用に充
し者なから近来迄は数種並ひ行はれしを
みるべし《割書:又俗に鰻鱺炙に様する醤油をタレと称す|是醤油美醂酎或は砂糖を加へ中に白油麻を垂し》
《割書:擂り入たることのみ【「ものに」では】て|全く別なり》
産地 備前 紀伊 播磨 三河《割書:以上の三国に勝れ|たりといへとも》