翻刻
【右丁】
日々/楫(カイ)を《割書:俗に貝字を用ゐれとも非なり即掻の音便/カイ(ⅡⅡⅡⅡ)の意|にして撹淆する器なり枴の義にあらす仮に楫》
《割書:字を|用ゐる》入撹す仲夏より仲秋まては日に二度或は
三度楫を入る殆と搾り成に至るまで頗煩労
を極む此熟したる醤を醤油のモロミ(ⅡⅡⅡⅡⅡⅡ)と称す
如此して十五月より二十月を経或は二十
月より三十月を経る右の月数の中二口《割書:彼の桶|と此の桶》
三四口併雑てマチヲケ(ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ)と称する小桶に汲出す
榨取
【左丁】
右のモロミ(ⅡⅡⅡⅡⅡⅡ)を棉布袋に盛り其数多きを尽く
醡(フネ)に入れ榨り取るなり榨りたる醤油を再び
滓(ヲリ)を去り湯煎釜にて煎し清みたるを又桶中
に汲取り冷(サマ)し置くこと四五日にしてノミクチ(ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ)よ
り注し濾(コシ)て再滓を去り然る後に各小樽中に
実し諸方へ輸出す
実(ツメ)樽 樽は新なるを佳とせすニバンアキ(ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ)《割書:一次|用過》
《割書:の者を|いう》を佳【隹を見せ消ち】とすニバンアキ(ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ)へ水十分に入れ一夜