翻刻
【右丁】
一たいらきの柱を取摺り木にてよく押布に包水気を
絞り摺り鉢に入能く摺り葛を少し入摺りませ板に付蒸也
切方は好にまかすへし
和らか煮の類
一鯛鮭其外何魚にても蒸籠に入あまり強き火も悪し
能程の火にて蒸火をはなし少し間置火にかけて
むし如此六時程蒸なり尾頭とものりのことく和ら
かになる事妙なり是を六時蒸鯛とも云
たゝき鮑
一鮑を葛水に漬置其後葛を鮑よくもみ付そろ〳〵
抑なりむし貝にても煮貝にても酢貝にても好へら煮にてもよし
【左丁】
またたゝき鮑
一女貝かよしからをはなし縁を取り板の上にて
摺り木にて抑田楽の如く焼なりとも煮物にてもよし
蚫和らか煮
一女貝からをはなし端を取よくあらい鮑の切ぬやうに
念入よく抑端に昆布を敷其上へ鮑を置からを蓋して
薄味噌汁にて三時斗りも煮なり
蛸南蛮煮
一たゞよくあらい板の上にて摺り木にて抑和らげ
心次第に切て酒斗りにて久敷煮候得者
和らかになる其時醤油をさし又煮て其後