翻刻
【右丁】
ふの焼玉子
一玉子打割鉢に入よく交せ能程塩を入水せん鍋にて
油をへき付紙にてよくぬくひ夫より右の玉子を入れ
あまり強火にはあしく大かいの火にて焼上候也暫たる
時裏衣へ返しさつと焼取出し切形心次第に仕へし
きり玉子
一玉子焼を程よくおろし葛三匁程入玉子焼鍋へ
油を焼付よくぬくひ右の玉子を金杓にて
すくひ掛けながし薄く鍋へ焼付たるとき
はなして細く切へし
花玉子
一ゆて卵を紅染の絹糸またはもへき紫なともよし
【左丁】
右の糸にて手まりをかゝり様にして煮湯の中へ
いれ直に取出し糸を取れは糸の色玉子へ移り
甚きれいなる物也湯煮久しく置は色付ぬ也
朝日玉子
一玉子其侭生にてぬか味噌へ廿日程漬置取出し
皮と白身を去りて黄身斗りほしつきの如し
玉手箱
一ゆて玉子を弐つ割にして中の黄身を取梅を
を中へ入元の如く合せてむし吸物にもよし
巻玉子
一ふの焼玉子よりは少し薄く焼魚の摺り身を付て
くる〳〵と巻焼満小口より切形すへし