翻刻
炭火(すみび)を武(つよく)し鏊子(なべ)に油を少(すこ)し入れよくぬりまはし
但(たゝ)し油をひくといふよりは饒(おほ)くする也豆腐を壱寸/方(しはう)
あつさ三分あまりに切てなべにちよとをけばおどりうご
くをぢきに鶏卵匕(たまごすくひ)にてうちかへす也すぐに用る也おろし
蘿匐(だいこん)生豆油(きじやうゆ)にて用ゆ
▲青海苔(あをのり)を炙(あぶり)よく細末(さいまつ)し方盤(おしき)やうのものへひろげ
油をよく沸(たゝ)せ少しづゝすくひ海苔(のり)の上へおとし転(ころば)し
よく攪(かきま)ぜ文火(ぬるきひ)にしばらくかけ醤油にて味つけたるを
右の豆腐につけて用るを炒(ゐり)とうふといふ
▲鏊子(くわしなべ)のかわりにいかにも古き犂(からすき)の鑱(さき)【犂鑱の図】を用る是(これ)
をからすき炒(やき)といふ也
[八十四]犂(からすき)やき 右に出たり
[八十五]炒(ゐり)とうふ 同しく右/石焼(いしやき)の下(ところ)に出たり
[八十六]煮熟(にぬき)とうふ 鰹脯(かつほ)のだし汁にて尤/炭火(すみびの)文武火(つよからぬひ)を
用ひ終日(いちにち)あさよりくれまで煮(に)る豆腐すだつ也
[八十七]喫素(しゃうじん)のにぬき豆乳(とうふ) 右の煮調(にかげん)に同じく昆布(こんぶ)