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コレクション: 暫定コレクション

女重寳記 - 翻刻

女重寳記 - ページ 18

ページ: 18

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一なべかまは くろ  一いかぎは せきもり 一れんぎは こがらし  一せつかいは うぐひす 一しやくしは しやもじ  一 哥(うた)かるたは つい松(まつ)   右は御所方(ごしよがた)のことばづかひなれども地下(ぢげ)にも用(もち)ゆる事 多(おほ)し      ㊅  女(をんな)けしやうの巻(まき) 女(をんな)は髪(かみ)のめでたからんこそ人(ひと)の目(め)たつべかめれとつれ〳〵 草(くさ)にも書(かき)たれは女風流(をんなふうりう)の第(たい)一は髪(かみ)なり多(をゝき)と少(すくなき)と長(ながき)と 短(みじかき)と太(ふとき)と細(ほそき)とは人(にん)〳〵むまれつきなればぜひなし色(いろ)くろく しなやかならんはあさゆふの心(こゝろ)かけによるべし髪(かみ)かたちといへば 髪(かみ)のつや〳〵うつくしくこぼれかゝりたるはかほだちにかたな れどもよく見ゆるものなれば女中(ちよちう)の別(べつ)してたしなみ給ふは 髪(かみ)なりあさねしてねみだれ髪(かみ)を夫(おつと)に見せ給ふ事 有(ある)べからす 一 髪(かみ)の油(あふら)はくろみの油(あふら)を御つけ候べし色(いろ)くろくしなよくにほ  ひ高(こう)からずしてよしそのほかの油しな〳〵あれどもいづれも  よろしからず匂(にほ)ひあしき油(あぶら)を付(つけ)たる女は心おとりせヽるゝもの也 一 髪(かみ)のあかきをなをすくすりは桐(きり)の木(き)をせんじあらひてよし 一 髪(かみ)もさい〳〵あらへばしなあしくなるなりあらはずしてあか  おとしやうの薬(くすり) こうほん びやくし 此二 味(み)をとうぶん  にして粉(こ)になし髪(かみ)にふりかけしばらくしてすけばあ  かおちてしなよくなるなり

現代語訳

一、鍋釜は「黒」  一、囲炉裏は「関守」 一、火箸は「木枯らし」  一、雪隠は「鶯」 一、杓子は「しゃもじ」  一、歌かるたは「つい松」   右は御所方の言葉遣いではあるが、地下(一般庶民)にも用いることが多い     ◯ 女化粧の巻 女は髪の美しさこそ人の目を引くものであろうと、徒然草にも書かれているように、女の風流の第一は髪である。多いと少ないと、長いと短いと、太いと細いとは、人それぞれ生まれつきなのでどうしようもない。色が黒くしなやかであることは、朝夕の心がけによるものである。髪形というものは、髪の艶々と美しくこぼれかかっているのは、顔立ちに適わないものであっても良く見えるものなので、女中が特に心がけなさるのは髪である。朝寝をして寝乱れ髪を夫に見せなさることがあってはならない。 一、髪の油は黒実の油をお付けなさい。色が黒くしなやかで、匂いが強からずして良い。その他の油も種々あるが、いずれも良くない。匂いの悪い油を付けた女は心劣りがするものである。 一、髪の赤いのを直す薬は、桐の木を煎じて洗って良い。 一、髪をあまりに洗えばしなが悪くなる。洗わずして垢落としようの薬:厚朴、白朮、この二味を等分にして粉になし、髪にふりかけしばらくしてすけば、垢が落ちてしなやかになる。

英語訳

- Pots and kettles: "kuro" (black)  - Hearth: "sekimori" (barrier guard) - Fire tongs: "kogarashi" (cold autumn wind)  - Toilet: "uguisu" (nightingale) - Ladle: "shamoji" (rice paddle)  - Poetry cards: "tsui-matsu" (paired pine)   The above are court language, but they are also frequently used among commoners.     ◯ Chapter on Women's Cosmetics For women, it is the beauty of their hair that catches people's eyes, and as written in the Tsurezuregusa, the foremost elegance of women lies in their hair. Whether thick or thin, long or short, coarse or fine - these are natural traits that cannot be helped. Having black and supple hair depends on daily care morning and evening. As for hairstyles, hair that falls beautifully with luster makes even faces that don't match look good, so what ladies should particularly attend to is their hair. One must never let one's husband see disheveled hair from sleeping in. - For hair oil, use kuromi oil. It makes the color black and supple, with a pleasant, not overpowering fragrance. There are various other oils, but none are as good. Women who use bad-smelling oil appear inferior. - To remedy reddish hair, decoct paulownia wood and wash with it. - If you wash your hair too much, it becomes coarse. Medicine for removing dirt without washing: magnolia bark and atractylodes, mix these two ingredients in equal parts and powder them. Sprinkle on the hair, and after a while, comb it out - the dirt will fall away and the hair will become supple.