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コレクション: 暫定コレクション

女重寳記 - 翻刻

女重寳記 - ページ 79

ページ: 79

翻刻

 なりそれをこそげて手(て)のうちにてねればねばるもの也  これをそくゐにおしまぜあかぎれの内(うち)へ入(いる)べし一 夜(や)にいゆ 一しもばれの薬 茄(なすび)のへたと葱(ひともし)とをせんじあらひてよし  又六月六日十六日廿六日に独蒜(のひる)をつきたゞらかし日(ひ)に  さらしおき冬(ふゆ)のしもやけにすりぬりてよし 一 粉刺(にきび)の薬(くすり) 《振り仮名:蜜陀僧|▢つださう》を粉(こ)にして乳(ち)にてときねさま  にかほにぬりあくる日(ひ)あらひさるべし四五 度(と)ぬればいゆる也 一あせぼの薬(くすり) はまくり貝(かい)をやきうどんの粉を半分(はんふん)まぜ  て布(ぬの)につゝみふるひかけてよし 一 髪(かみ)ぬけるときの薬(くすり) かや くるみ 側栢葉(ひのきのは) 此三 味(み)を水(みづ)    にひたし鬢水(ひんみつ)につかへば髪ぬけず 一しらがをそむる薬(くすり) 黒大豆(くろまめ)を酢(す)にてせんし鬢水(びんみづ)に  つかふべし又すさくろの皮(わ)をせんじ鬢水(びんみづ)につかひて吉(よし) 一 面部(めんじ)の病(やまひ)には白附子(びやくぶし)を酒(さけ)にひたして付(つく)れは面上(めんしやう)の百(ひやく)  病(ひやう)を治(ぢ)すくろなまずにも妙(めう)なり 一 冬瓜(かもうり)の実(さね)を粉(こ)にして丸(ぐはん)じつねに服(ぶく)すれば面(おもて)白(しろ)々  なる事 玉(たま)のことし色(いろ)黒(くろ)き女中(ちよちう)は用(もち)ゆべし 一 夜(よる)にすれて小便(しやうべん)たるゝには破胡紙(はこし)茴香(ういきやう)二 味(み)とうぶん粉  にしてさゆにて用(もち)ゆべし   右(みぎ)のほかの病(やまひ)は医者(いしや)にたのみてはづかしからず

現代語訳

それを削って手の中で練ればねばねばしたものになる。  これを唾液に押し混ぜ、あかぎれの中に入れるべきである。一夜で治る。 一、しもやけの薬 茄子のへたと葱を煎じて洗うとよい。  また六月六日、十六日、二十六日に野蒜を突き砕いて日に  晒して置き、冬のしもやけにすり塗るとよい。 一、にきびの薬 蜜陀僧を粉にして乳で溶き、寝る前に  顔に塗り、翌日洗い流すべきである。四、五回塗れば治る。 一、あせもの薬 蛤の貝を焼いて、うどんの粉を半分混ぜ  て布に包み、振りかけるとよい。 一、髪が抜ける時の薬 榧、胡桃、側柏葉(ひのきの葉) この三味を水    に浸し、鬢水に使えば髪が抜けない。 一、白髪を染める薬 黒大豆を酢で煎じ、鬢水に  使うべきである。また、インクの皮を煎じ、鬢水に使ってよい。 一、面疔の病には白附子を酒に浸して付けると、顔の百  病を治す。黒いなまずにも妙である。 一、冬瓜の種を粉にして丸薬にし、常に服用すれば顔が白く  なること玉のようである。色黒い女中は用いるべきである。 一、夜に摺れて小便が漏れるには破故紙、茴香の二味を等分、粉  にして白湯で用いるべきである。   右のほかの病は医者に頼んで恥ずかしからず。