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なりそれをこそげて手(て)のうちにてねればねばるもの也
これをそくゐにおしまぜあかぎれの内(うち)へ入(いる)べし一 夜(や)にいゆ
一しもばれの薬 茄(なすび)のへたと葱(ひともし)とをせんじあらひてよし
又六月六日十六日廿六日に独蒜(のひる)をつきたゞらかし日(ひ)に
さらしおき冬(ふゆ)のしもやけにすりぬりてよし
一 粉刺(にきび)の薬(くすり) 《振り仮名:蜜陀僧|▢つださう》を粉(こ)にして乳(ち)にてときねさま
にかほにぬりあくる日(ひ)あらひさるべし四五 度(と)ぬればいゆる也
一あせぼの薬(くすり) はまくり貝(かい)をやきうどんの粉を半分(はんふん)まぜ
て布(ぬの)につゝみふるひかけてよし
一 髪(かみ)ぬけるときの薬(くすり) かや くるみ 側栢葉(ひのきのは) 此三 味(み)を水(みづ)
にひたし鬢水(ひんみつ)につかへば髪ぬけず
一しらがをそむる薬(くすり) 黒大豆(くろまめ)を酢(す)にてせんし鬢水(びんみづ)に
つかふべし又すさくろの皮(わ)をせんじ鬢水(びんみづ)につかひて吉(よし)
一 面部(めんじ)の病(やまひ)には白附子(びやくぶし)を酒(さけ)にひたして付(つく)れは面上(めんしやう)の百(ひやく)
病(ひやう)を治(ぢ)すくろなまずにも妙(めう)なり
一 冬瓜(かもうり)の実(さね)を粉(こ)にして丸(ぐはん)じつねに服(ぶく)すれば面(おもて)白(しろ)々
なる事 玉(たま)のことし色(いろ)黒(くろ)き女中(ちよちう)は用(もち)ゆべし
一 夜(よる)にすれて小便(しやうべん)たるゝには破胡紙(はこし)茴香(ういきやう)二 味(み)とうぶん粉
にしてさゆにて用(もち)ゆべし
右(みぎ)のほかの病(やまひ)は医者(いしや)にたのみてはづかしからず
現代語訳
それを削って手の中で練ればねばねばしたものになる。
これを唾液に押し混ぜ、あかぎれの中に入れるべきである。一夜で治る。
一、しもやけの薬 茄子のへたと葱を煎じて洗うとよい。
また六月六日、十六日、二十六日に野蒜を突き砕いて日に
晒して置き、冬のしもやけにすり塗るとよい。
一、にきびの薬 蜜陀僧を粉にして乳で溶き、寝る前に
顔に塗り、翌日洗い流すべきである。四、五回塗れば治る。
一、あせもの薬 蛤の貝を焼いて、うどんの粉を半分混ぜ
て布に包み、振りかけるとよい。
一、髪が抜ける時の薬 榧、胡桃、側柏葉(ひのきの葉) この三味を水
に浸し、鬢水に使えば髪が抜けない。
一、白髪を染める薬 黒大豆を酢で煎じ、鬢水に
使うべきである。また、インクの皮を煎じ、鬢水に使ってよい。
一、面疔の病には白附子を酒に浸して付けると、顔の百
病を治す。黒いなまずにも妙である。
一、冬瓜の種を粉にして丸薬にし、常に服用すれば顔が白く
なること玉のようである。色黒い女中は用いるべきである。
一、夜に摺れて小便が漏れるには破故紙、茴香の二味を等分、粉
にして白湯で用いるべきである。
右のほかの病は医者に頼んで恥ずかしからず。