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コレクション: 大田南畝

虚言八百万八伝 : 3巻 - 翻刻

虚言八百万八伝 : 3巻 - ページ 16

ページ: 16

翻刻

万八島田の 駅にすみける 時うはばみの 子をかひをき けるがわづか 百年ほど立 ければ長 ̄サ一里 の余にせい長 せりある時 大井川こう 水にて川 どめの折から かのうはばみ      を   島田から    かなや迄 大井川の上へ はしに   かけて 御大名を はじめ ゆきゝの人 をわたし    て 金をもふけ 水の引た 時は□う□んの【時はてうちんの】   やう    に  たゝみて 置ける   よし  万八が智恵にて   とうりうもなく 諸人のたすけとなり たれどもわたる人は いきたこゝちなくみな〳〵 口のうちにて うはばみだんぶつ〳〵

現代語訳

万八が島田の宿場に住んでいた時、大蛇の子を飼っていたが、わずか百年ほど経つと長さ一里余りに成長した。ある時、大井川が増水して川留めになった折から、その大蛇を島田から金谷まで大井川の上に橋として架けて、大名をはじめ行き交う人々を渡らせて金を儲けた。水が引いた時は提灯のように畳んで置いたということである。万八の知恵で当然のことながら多くの人の助けとなったが、渡る人は生きた心地もなく、皆々口の中で「大蛇よ南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」

英語訳

When Man'ya lived in the post town of Shimada, he kept a young python, which after just about a hundred years had grown to over one ri in length. Once, when the Ōi River flooded and river crossings were suspended, he used that python as a bridge from Shimada to Kanaya across the Ōi River, ferrying lords and other travelers across for money. When the water receded, he would fold it up like a lantern and put it away. Through Man'ya's wisdom, this naturally became a great help to many people, but those who crossed were scared out of their wits, all muttering under their breath, "Python, Namu Amida Butsu, Namu Amida Butsu."