翻刻
随分(すいふん)外(ほか)に出(いだ)して風日にあたらしむへし。小児の衣(い)
服(ふく)は女(をんな)男(おとこ)ともに十四 才(さい)ばかり迄は脇(わき)の下(した)を縫(ぬい)さして
着(き)せべし。これを脇(わき)あげといふ。又 振袖(ふりそで)ともいふなり。
かくのごとくして着(き)せるをよしとす。小児は脾胃(ひゐ)も
ろく。肝(かん)の気(き)盛(さか)んなるゆへに食物(しよくもつ)をゑらひ多く喰(くら)ゝ【ハ(は)ヵ】
しむべからず。右のごとくして小児を養(やしな)はば一 生(しやう)無病(むひやう)
にして寔(まこと)に長生(ちやうせい)を得(ゑ)ん事ゆめ〳〵疑(うたが)ふべからす
㊅凡(をよそ)壮年(さうねん)なる人の戒(いましめ)には三欲(さんよく)を慎(つゝし)むべき事 肝要(かんよう)也。
三(さん)欲とは好色(こうしよく)の欲(よく)。飲食(いんしよく)の欲。睡眠(すいめん)【注】の欲となり。まづ飲(いん)
食(しよく)を節(せつ)にすとは常(つね)に甚(はなはた)飢(うゆ)る事なかれ。甚 飽(あく)こと
【注 「メン」は「眠」の呉音】