翻刻
たりされは神明仏陀の御加護にや大雨篠
衝如し一時を過たり乗組再び競(キヲヒ)を■器
物取出し天水を受溜メ一旦は蘇生の思ひをなす
ト云へ共身体労れ皆空心 ̄ニ成り殆と方角 両(月)
曜(日)も取失ひけれとも少し風波和らき四方打 眺(ナカム)
る時 ̄ニ五六里計り隔り一の島を見出したり
何様此島へ上陸し供に一命を助るへしと船中
には未た粮米塩味噌類残り少々有けれ共其侭
元船乗捨橋舟に移り島を目当 ̄テ に無二無三
艪を相立程近き至ㇽ時に大浪橋舟を岩島へ
打上破舟す権市岩の狭間へ打上り声を限りに
呼立けれは岩間〳〵より声を合せ夜もほの〳〵と