翻刻
難風に逢漂着の仕形すれ共悟らす て右
坊主筆硯唐紙取ひ出ㇲ然れ共乗組書
読 ̄ニ通ふしたるは無し只管(ヒタスラ)拝伏しけれ坊主自分
筆を執て書を作ㇲ文章凡日本の二字有り
是を指させは坊主 諾(ウナツ)く良ありて琉球芋の蒸し
たるを出ㇲ載て食ㇲ其後麦の菜粥を進ル
各是を食してうえ飢寒をしのき日を送し
内早其年も暮明れは嘉永四亥ノ春は迎ひ
けれ共正月の紀式迚は形も無し有ㇽ 白
唐人島端へ連行鳥を取漂人等も取れと
云ふ仕形ㇲ言は日本鴨《割書:俗ニカホト云|鳥ニ》似
たり此所 ̄ニは年中子を育(ソタツ)ㇽ事不絶其後