翻刻
より外とを見るに彼地にても有徳なる人の娘嫁
入と見へ朱塗の輿に乗 硝子(ヒイトロ)の障子玉の■■(ヨウテク)其
閑麗(ミヤヒヤカ)なる事は言葉にも尽しかたしなれ共白昼
硝子の内に火を灯したれは姉人の容色は見へす其
姿は画し唐美人の風薄らかに見へたりと云
唐国も嫁は顔を隠す事にや硝子の
内へ昼火を灯しなは■て鮮には見へ
まし此国にても嫁綿帽子を被り顔を
見せぬ風に近し
扨も漂夫拾壱人の輩此地え着て日数廿日計に
して番人の案内につれ大家え呼出され其場の
官主曲■懸り真鍮唐銭百文繋壱貫
分銘々の肩に掛呉られ拝伏して貰ふ