アイヌ関連資料

コレクション: 蝦夷草紙

蝦夷草紙(龍谷大学図書館) - 翻刻

蝦夷草紙(龍谷大学図書館) - ページ 25

ページ: 25

翻刻

【右丁】   蝦夷土人住居の村々あり此イシカリ河は鮭の塩引を   出す所にて秋にいたれは毎年数十艘の日本の商   船渡海して此河の内に船かゝりして滞留するに   風波の懸もなし縦数百艘の大船幅湊するとも   狭しとせす此河時として標根其まゝ具たる大   木流れ出る事数をしらす人皆是を視て河上の   地中に大雨降たるへしといえり是源の河岸あふれて   出るものかといへり地中曠けれは此流樹の出所を知るへ   なし河尻の海近き所は潮汐の干満ありて河幅凡   五六百間あり又東蝦夷地のトカチの河は浜辺より 【左丁】   一里程の河上にて二筋に別れて海に流れ入る二筋にて   凡六七町計り有海の落口に瀬ありて大船河内に入   る事能はす又東蝦夷地にホロヘツの場所の内に   ノボルヘツといふ小河あり此河上を尋ぬるに四五里程の   山奥に硫黄山ありて常に焼て消る事なく信州浅   間のことく依て其辺は一円に温泉湧出て谷々より   落集り一河となりて此ノボルベツに流れ来る也此辺に   此河の水色は白粉に紺青とを掻立たるかことし俗に   いふ染色のせいたい鼠の色#1になり小河なれとも水勢   急流ゆへ常に濁りて一日も水底見ゆる事なし