アイヌ関連資料

コレクション: 蝦夷草紙

蝦夷草紙(龍谷大学図書館) - 翻刻

蝦夷草紙(龍谷大学図書館) - ページ 28

ページ: 28

翻刻

【右丁】   たり時に松前土人に通詞有て此通詞に蝦夷土人   等手をひかれ出る大勢有ても段々に蝦夷土人より   ゑぞ土人に互に手と手を採合て連なりひき伴ひ   有司の前に目見に臨む其体甚た恐れ敬ひて肌を   震ふて謙退して傴瘻(セヲタミ)歩み礼譲厚く慎て其   席に発坐す有司の命ありて通詞せさるうちは   謹てものいふ事なし恭敷合掌し良ありて後   有司に向ひ坐を居さり進み寄たる時通詞よりて   後有酒樽をかつき蝦夷旅宿に帰る也都而ゑそ土   人の情は初に厳しくて終りては崩れたるもの也 【左丁】   万事葛【万?】端みな是に準する人情なり謁見の礼は   厳しく厚くて離別の礼はなし      対面の礼の事 一 予島々に先駆して行ける時松前所在島来蝦夷   地アツケシの乙名イユトイク手船に乗組て天明六   丙午三月十日にアツケシを出帆してエトロフ嶋の奥   シヤルシヤムといふ所に同年五月五日に着岸す此所の   乙名マウラカアイノといふ此ものは尊島中に名高き   大身にて智略深く土人大に恐れ敬ふ者也時にイコ   トイは渠か聟なれは饗応に急に濁酒を造り聟