翻刻
【右丁】
かなしみのきはまりたるところへ。をとさるゝ
そのいにしへは。あくも。ぜんも。くも。らくも。なき
を末世(まつせ)におよぶほと。しゆじやうのきちゑ
ひずみ。すなをならざるによつて。《振り仮名:波蘿夷■雲|はらいぞう》。
恚怒箆娄那(いんぬべるの)を。つくりをきたまふ。日本の。しよ
神。諸仏といふは。そのいわうはみな。にんげん
なり。いせ大神宮(だいじんぐう)は。いさなぎ。いざなみが子 出雲(いつも)
のくにゝつりする。あま人の子なり。八まん大
ぼさつといふも。応神天皇(おうじんてんわう)これ人げんなり
しゆじやうの。はかなきはみな。俵(たはら)をねがい
【左丁】
正法(しやうぼう)をかつて。しらざるゆへなり。かるがゆへに。
伝宇須の御かたち。人げんにまみへて。利益(りやく)せん
とおほしめして。さんた丸やと申。び女のたい
ないにやどらせ。金剛(こんがう)けんごの。御すがたをあら
はし。まし〳〵て。人げんの。しよまうをかなへ
たまふなり。なんばん国は。大国にして。日本
五百千 合(あは)せても。九牛(くぎう)がいちもうたり。国王の
ちよくぢやうに云。日本の人みんども伝宇須
の正法(しやうほう)を。しらすんは。ふびんのこと也と。おほし
めして。さうかいばんりをしのき。此国にわた