翻刻
【右丁】
さるといふ。白翁(はくおう)具(つふさ)にきゝて。それよりして。
伝宇須の。ぶつほうのおくいはなきかととふ。
印留慢(いるまん)こたへていはく、伝宇須の。まんほう広(いろき)【注①】
ことは。くはうだいむへんにして。人けんのちゑに
およひかたし。(二 )【注②】経論(さやうめん)【注③】やま〳〵おほし。はくおうの
いはく。なんをうつべし。つゝしんて。きゝたまへ
伝宇須といふは。てんちかいひやくの。ほとけと
うけたまはるさためて。なんばんには。さやう
にこそおもひつらめ。とうてんぢく。わかてう
には。天神七代。地神五代。日本記にも。漢書(かんしよ)に
【左丁】
も。あさゆふこれをみるなり。てうすといふこと
は。はじめてこれをきくなり。てんちかいひやく
のほとけにては。あるべからず。とかくてんちか
いひやくよりの。おにゝてあるへし。第(だい)一しんら
まんぞう。人ちくさうもく。日月こと〳〵く。
つくりたまふといふ。たはことをはさしおきて
まづ。人げんをつくりてなにの。ために入申やう
のいはれをよくきかん能毒(のうどく)のなき事は。よも
あらし。たゝしかいとりのごとく。なくさみものに
なるか。又ぬし一人さひしさに。はなしとぎに
【注① 「広」の振り仮名は「ひろき」の誤ヵ】
【注② 「。」の右に「二」または「ニ」】
【注③ 「経論」の振り仮名は「きやうろん」の誤ヵ。または、キリシタンの用語の何かヵ】