翻刻
駕を進め安義(がんけす)江を済(わた)りて猶東 征(せい)せんとすれ共(ども)
群従(ぐんじう)みな怨(うら)むるを以て已(や)むことを得(え)ずして駕を
回(かへ)す道にして数々(しば〳〵)危難(きなん)に遇(あ)ふと云「ヘイダスペ
ス」【」記号脱】江に抵(いた)り軍艦(いくさぶね)を集(あつ)め其 鹵簿(ろはく)【ママ】【左ルビ:トリコ】の一半(なかば)を分(わけ)て自(みづか)
ら随(したか)へ船(ふね)に乗(じやう)して江を下(くだ)り其 一半(なかは)は江の両岸(りやうがん)
に循(したが)ひゆかしむ已(すで)に江を下(くだ)り又 応多(いんじゆす)江に航(かう)し
て大海に達(たつ)す馬則多泥亜(まぜとにや)【注】人(じん)未(いま)だ大(だい)海を知(し)らす
此時初て見(み)て驚(おどろい)て以て壮観(さうくわん)となせり次(つい)で軍艘(くんさう)
を百爾西亜(へるしや)海 湾(わん)に進(すゝ)め水路(すいろ)を舎(お)き旱道(かんどう)を歴(へ)て
罷鼻落(ばびろん)に返(かへ)る途(みち)亜拉比亜(あらびや)国(こく)の大沙漠(たいしやばく)を経(ふ)るに
【注 18コマに「馬則多泥亜(ませとにや)」と記載。】