翻刻
軍士(ぐんし)食(しよく)匱(とぼ)しく水(みづ)なきを以(もつ)て死亡(しばう)相(あい)望(のぞ)む軍士(くんし)帝(てい)
に従(したがふ)て百爾西亜(へるしや)に帰(かへる)者(もの)僅(わづか)に四分(しぶ)の一なりと云
帝(てい)「スュッサ」に在(あつ)て達柳氏(だりうす)の長女(むすめ)「スタチラ」《割書:女|名》と婚(こん)す
典儀(てんぎ)極(きは)めて盛大(せいだい)にして古今(ここん)未(いま)だ聞(きか)ざる所(ところ)たり
既(すで)にして罷鼻落(ばひろん)城(じやう)に行(ゆ)き更(さら)に後来(こうらい)の大志(たいし)を成(な)
さんと図(はか)る惜(おし)いかな適々(たま〳〵)病(や)むこと三日 大(おほひ)に酒(さけ)
を被(かふむ)り暴(にはか)に崩(ほう)ず寿(じゆ)三十二 歳(さい)時(とき)に帝嗣(ていし)【左ルビ:ヨツギ】未(いま)だ定(さだ)ま
らず諸将(しよしやう)争議(そうぎ)すること一二日 遂(つい)に皇(わう)の弟(おとゝ)「アリ
テュス」《割書:人|名》を立(たて)て位(くらゐ)を嗣(つが)しむ帝(てい)の屍(しかばね)は布多禄某氏(ぶとろめうす)
之(これ)を金棺(きんくわん)に斂(おさ)め「アレキサンドリア」の寺に葬(ほふむ)る