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或(あるひ)は暴厲(ぼうれい)【左ルビ:ヲカシ ソコナイ】恣睢(しすい)【左ルビ:ホシイマヽ】邪説(じやせつ)を信(しん)じ妖怪(ようくはい)を唱(となふ)る夷人(いじん)
の為(ため)に敗衄(はいじん)【血+刅は衄の俗字】して殺戮(さつりく)に遭(あふ)を聞(きく)毎(ごと)に皆(みな)之(これ)が
為に血(ちの)涙(なみだ)を逬(はう)【左ルビ:ナガス】【注①】せざる者(もの)なし○其(その)二章(にしやう)は【別本による】今(いま)
我(わが)同州(どうしう)諸藩(しよはん)彼(かの)国人(くにたみ)と交(まじは)るの浅深(せんしん)親疎(しんそ)を問(と)
はず凡(およ)そ人心(しんしん)を抱(いた)く者(もの)孰(たれ)か此(この)挙(きよ)を為(な)し運(うん)
を天(てん)に任(まか)せて同盟(どうめい)の人(ひと)を求(もと)めず救援(きうえん)の兵(へい)
を請(こ)はず独(ひと)り天庇(てんのたすけ)と独力(ひとりのちから)とを以(もつ)て孑然(けつぜん)【左ルビ:カタヒヂ】【注②】と
して力(ちから)を量(はか)らず慓悍(へうかん)【左ルビ:ハケシクモ】強暴(きやうはう)【左ルビ:シイオカス】の大国(たいこく)に抗(むかひ)敵(てき)す
るを見(み)て其(その)中腸(はらわた)を熱(ねつ)し怒火(むね)を沖(ひや)し其(その)百(ひゃく)折(せつ)【左ルビ:クヂケル】
撓(たゆ)まざるの孤忠(こちう)を憫(あはれ)まざる者(もの)あらんや今(いま)は
【注① 迸は俗字】
【注② 別本、国書データベースの『海外人物小伝』による。https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100414406/82?ln=ja】