翻刻
【右丁】
とも竟(つい)に之(これ)を破(やぶ)る小亜細亜(こあしや)の諸侯(しよこう)皆(みな)帝(てい)に従(したか)ふ
此時(このとき)「ホンテュス【」記号脱】王「ミトリダテス」《割書:王|名》も亦 降(くだ)り爾来(しかるのち)
帝征 討(たう)する事(こと)ある毎に必(かなら)ず従ふ帝「フィリーギー」
《割書:地|名》に在り兵(ひやう)を遣(やり)て「セレネ」《割書:地|名》を取(と)る其後(そののち)「ゴルディ
ヲン」《割書:地|名》に赴(おもむ)き其 地(ち)の歳星(さいせい)の像(さう)を安置(あんち)する殿堂(でんだう)
詣(まい)り奇功(きこう)の結紐(けつちう)【左ルビ:ムスビヒモ】あるを視(み)て自(みつか)ら剣(けん)を抜(ぬい)て之(これ)を
斫断(せきだん)【左ルビ:キリクツ】す続(つゝい)て「カパドシー」《割書:国|名》を降(くた)し「タルスュス」《割書:地|名》に
抵(いた)る此時(このとき)の偶々(たま〳〵)入浴(にうよく)して熱病(ねつびやう)を得(え)たり病(やまひ)極(きわ[め])て
危嶮(きけん)なり百児西亜王(へるしやわう)達柳氏(たりうす)之を聞(き)きひそかに
侍医輩(しいはい)【左ルビ:ゴテンヤク】に金帛(きんはく)数多(あまた)を遣(つかは)して帝を療治(れうぢ)すること