翻刻
【右丁】
魚鳥目録之品 目録廻状認様
【上段】
【右枠】
進上
白鳥 一羽
雁 一羽
鯛 一折
鱸 一折
海月 一桶
《割書:以上 氏名| 名乗》
【右枠下】
上輩(しやうはい)へ
魚鳥/前後(せんご)の事/先(まづ)鳥を
書ずに魚を書べしもし
しやうじんものあらばをくに
書べし又魚鳥を両に
書/流(りう)もあり樽(たる)あらは奥
に書べし小袖などは樽
のまへたるべし
【左枠】
目録
鶴 一羽
鯛 一折
鮭 一尺
海老 一折
蛤 ┌一折
└《割書:又は枚| とも》
《割書:以上》
【左枠下】
同輩(どうはい)へ
樽(たる)は何荷(なんが)とかくべし折
ならば何合と書べし女中
へつかはすにはかなにて書
べし上輩へは進上と氏
名を書べし下輩へは目
録と斗かきて氏も
名もかゝぬなり
【下段】
【右枠】
目録
御小袖 一重
御扇子 一箱
御酒 何樽
鰹節 何連
真綿 何把
《割書:以上》
【左枠】
目録
金子 何程
御樽 何荷
鯛 何掛
絹類 何巻
裏地 何疋
《割書:以上》
月日 何某
【枠下】
こゝに出す所の目録は今
町家通俗もちゆる所の
略目録志たゝめ方なり
あるひは奉書紙立目録
または二ッ折に認(したゝ)むる等
の事は其時/宜(よき)にしたゝめ
て差略あるべし其認め
かた此ふり合にてもちひ
来るをうつしをくもの
なれば本式のくはしき事
はそれ〳〵の師(し)によりて
ならひ認むべし大躰此
ふり合にて種々(しゆ〳〵)差略
してしたゝめ給ふべし
たゞ俗家(そくか)通用(つうよう)したゝめ
来るをもむきのみて【之ヵ】
出すものなり
【左丁】
廻文認やうの次第
【上段】
【右枠】
明日於東山御酒
進上申度候猶御光
駕者可被忝候以上
月日 名二
名一
某殿 一
某殿 二
某殿 三
某殿 四
某殿 五
《割書:参【脇付】》
【左枠】
次第不同
某殿 五
某殿 四
某殿 三
某殿 二
某殿 一
明日於東山御酒
進上申度候於御光
駕者可被忝候以上
月日 名一
名二
各御中
【枠下】
夫(それ)回文触(くはいぶんふれ)状之事はかの事書を口に書ときはあて所口の方
を上とし奥の方を下/位(い)と次/亭主(ていしゆ)の名日付の下を下位とし
次(つぎ)を上位とする事上の/圖(づ)のごとし亭主一人の時は日付の下に
かくまた事書を奥に認むる事有其時はあて所口の方を
下位とし奥の方ほとを上位とすべしまた亭主の名も
日附の下を上位として次を下位とこゝろへべし則上の
圖のごとくなり上/包(づゝみ)の事は上の字斗一字かくべし
またてまへの名を書事もあり
廻文に点をかくる事/式法(しきはう)にはなき事なりとあり
名の下かたはらに奉といふ字を書事/作法(さほう)なりと
いへり但(たゞ)しまた点(てん)をかくる事もくるしからずと
あり点は【雛形の線形】かくのことく書べし【鈎形の線形】かくの如くかくる
事は慮外(りよぐはい)なりまた名の下に或は承知仕候または
奉承知候など例(れい)もあるよしなり