翻刻
【右丁】
糊付(のりつけ)封(ふう)并(ならびに)表書(おもてがき)の仕様(しやう)
【枠内】 名字官殿 名字官
封(ふう)じ様(やう)は折目(おりめ)へあて名のかゝらぬ様(やう)封(ふう)すべし我名は
折目へ懸(かゝ)るともくるしからずのりを多(おゝ)く付べからす
少しつけて心やすくはなるゝ様に附べし多く付る事/慮(りよ)外なりといふ
表(おもて)書の事は古き法には脇付(わきつけ)なし表(をもて)に名乗(なのり)裏(うら)に名を書也/當代(たうだい)は
脇付をして表に名を書なり医師(ゐし)出家(しゆつけ)などは表に実名(じつみやう)裏(うら)に庵号(あんがう)を書也
又裏にゟといふ字を書事あり無用の事なりゟといふ字はよりといふ
文字のやつしたるなりたとへばまいるを「まいる」【合字】とやつしたるがごとし女の
通用なり従自(より〳〵)と書事も無用なり
【枠内】誰殿 誰
是はとむらひ状之/封(ふう)じ目表にあり又封のしるしをせ
ぬ流(りう)もありむかしは脇付もあるよし當世は脇付なし
ひねり文の時は封(ふう)じ目を左(ひだり)へよする法也文の中には返(かへ)す書以上猶々/重而(かさねて)など書べからす
封のしるしはかりの印なれば〆此ことく長きほど慮外也/貴(き)人へは短(みじか)くすべし
〆かくの如(ごと)く也封の姿(すがた)流々(りう〳〵)有○惣じて脇付を書は大方先の宛(あて)名の所名の下も
二字め程より書べし通用之是ゟ上へ書事是ゟ下へ書事いづれも人々の品によるべし
【左丁】
月(つき)之/異名(いみやう)并(ならび)に《割書:時候(じこう)之/詞(ことば) 十干(しつかん)|十二支(じうにし) 片假名(かたかな)之事》
年始之詞(ねんしのことば)《割書:新春(しんしゆん) 新年(しんねん) 改年(かいねん) 改暦(かいれき) 青陽(せいやう) 年甫(ねんほ)|御慶(ぎよけい) 佳慶(かけい) 吉兆(きつてう) 吉慶(きつけい) 嘉慶(かけい) 嘉祥(かしやう)》
正月《割書:夷鐘(いしやう) 発春(はつしゆん) 甫年(ほねん) 甫月(ほげつ) 開端(かいたん) 解凍(かいたう) 睦月(むつき)|王春(わうしゆん) 太郎月(たらうづき) 花晨(くはしん) 初空月(はつぞらづき) 端月(たんけつ) 太簇(たいそく) 首春(しゆしゆん)》
二月《割書:殷春(いんしゆん) 仲陽(ちうやう) 夾鐘(けうしやう) 降婁(がうろう) 陽中(やうちう) 鳴調(めいてう) 如月(じよげつ)|春和(しゆんわ) 春濃(しゆんでう) 四陽(しよう) 美景(びけい) 令月(れいげつ) 星會(せいくはい) 梅見月(むめみづき)》
三月《割書:暮陽(ぼやう) 桐月(とうげつ) 花老(くはらう) 蚕月(やよひづき) 弥宵(やよい) 恵風(けいふう) 重三(ちやうさん)|殿春(でんしゆん) 喜月(きげつ) 帰春(きしゆん) 暮春(ぼしゆん) 晩春(ばんしゆん) 桜月(さくらづき) 花見月(はなみづき)》
四月《割書:卯月(うづき) 維夏(いか) 仲呂(ちうりよ) 六陽(りくやう) 夏半(かはん) 槐夏(くはいか) 献梅(けんばい)|伏暑(ふくしよ) 清夏(せいか) 麦秋(ばくしう) 暮夏(ぼか)? 正陽(しやうやう) 炎鐘(ゑんしやう) 卯花月(うのはなづき)》
五月《割書:畏景(いけい) 梅天(ばいてん) 東井(とうせい) 皐月(さつき) 景風(けいふう) 午月(ごげつ) 臨景(りんけい)|小巧(せうこう) 鶉首(しゆんしゆ) 炎天(えんてん) 星月(せいげつ) 蕤賓(すいひん) 月不見月(つきみぬつき)》