翻刻
【右頁上段】
むかし〳〵教訓(きやうくん)先生(せんせい)といふもの
あり人相(にんさう)てのすじのほか何に
よらすからだの内のzんあく
にてその吉凶をさだめければ
まい日先生のいほりにきたり
てからだのよしあしを
とうものおびたゞしく
ことのほかはんぜう
しけり
〽きやうくん先生の
いわくにんげんの
かほはまるくみゆ
れともこゝろさし
あしければおのづ
から四かくになりて心
ある人にはし四かくにみゆ
るなりそれはどふした
ことゝとへばおさない
ときてならいがくもん
せねはとしよつて
人なかではぢをかく
これ一かくなり扨心
【左頁上段】
がけわるくしておごりをこのむ
ものはついにまづしくなりて
つねにことをかくこれ二かくなり
その心まことなき人はおのづ
からぎりをかくこれ三かくなり
いろをこのみてやすものを
かへばかさをかきはなを
かくこれ四かくこの
四かくをつゝしみて
心はいわのごとく
どのような
人がきてそゝ
のかしてもうご
かぬようにもちはらは
かいどうとおもつて口くひ
ものにおごらず手はあさがほの
はなのごとくたへずひらいたりつぼんだり
またはきねづみのごとくあつちへうごかし
こつちへうごかしすこしもゆだんせずあしは
すりこ木のごとくぼうになるまでかけまわりて
かせぐときはかほの四かくかどとれてしごくまるい上にんげんとはなるなり
【右頁下段】
〽イヤハや先生の
高論(かうろん)おそれ入り
ました
〽心としらみはうわべ
からみへぬもつた
ものたみへるとたちまち
はちをかくせんさくでござる
【左頁下段】
〽このあしがまんなかへ
つくがさいご大ごとだ