翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

広益秘事大全 3巻. [5] - 翻刻

広益秘事大全 3巻. [5] - ページ 10

ページ: 10

翻刻

【右丁頭書】 【挿絵】 芋魁(いもがしら)はふろ吹(ふき)あんかけのつぺいな どにして上品なり ○松茸(まつたけ) 醬油(しやうゆ)汁にして吸口(すひくち)は 柚豆腐(ゆとうふ)と取合すなど通例(つうれい)なり 葛(くず)つりあんかけもよし紙(かみ)につゝみ うづみ焼(やき)にして柚醬油(ゆしやうゆ)をかくるは 風味(ふうみ)至てよしせんにさきて吸(すひ) 物にもすべしこれは珍(めづ)らしき間の 【左丁頭書】 事なり梅(むめ)あへ茶わんむしいつれ もよし土瓶(どひん)やきとてどひんにて むし焼(やき)にする事あり味ひよし ○大根(だいこん) つかひ方/誰(たれ)も知るが如し 煮るには真土地(まつちぢ)の物/味(あぢは)ひよし漬(つげ)物 には砂地(すなぢ)のものもつくしてよし此物 用(よう)多(おほ)くして実(まこと)に日用(にちよう)重宝(てうほう)の 第一たる物なり葉(は)をも煮て つかふべし但(たゞ)し大坂辺の物は茎(くき)かた  くしてわろし ○蕪菁(かぶら) 汁にして柚(ゆ)のすひ口上 品なりつみ入えびなとの汁によろし 油(あぶら)あげしきがつをにて平にもすべし あんかけふろ吹いつれもよし風呂(ふろ) ふきのみそは蒜(にゝく)みそしやうがみそ など取合よろし葉(は)も和(やは)らかにて 汁にすべし油(あぶら)と取合せ煮(に)るもよし 【右丁本文】 はなすべし其後(そのゝち)に相応(さうおう)の地へうつすべし又土を つけたる上を藁(わら)にて包(つゝ)むもよしされど早(はや)く乾(かわ)く故 に度々(たび〳〵)水をかけざればつかぬなり  ○草木(さうもく)の虫(むし)を除(のぞ)くべき事 凡(およそ)草木(さうもく)其地(そのち)を得(え)て培養(はいやう)の法を尽(つく)すといへども これを喰損(くひそこな)ふ虫(むし)を除(のぞか)ざれば労(らう)して功(こう)なき事 となるべければ常々(つね〴〵)心(こゝろ)にかけて其防(そのふせぎ)をなすべき也 蚯蚓(みゝず)をさくるには衣服(いふく)の洗濯(せんたく)の汁(しる)をそゝぐべし また小便(せうべん)もよしむくろうじの皮(かは)の洗汁(せんじしる)尤(もつとも)よし 土龍(うごろもち)を除(のぞ)くには海参(なまこ)を切(きり)てかよひ路(みち)にうづみ置 ば遠(とほ)く逃去(にげさる)もの也/干海鼠(ほしこ)にてもよしまた桶(をけ)のふ ちを朸(あふこ)にてすればキイ〳〵といふ音(おと)高(たか)くする物也 これ土龍(うころもち)を除(のぞ)く壓術(まじなひ)なり蛇(へび)の類(るい)を除(のぞ)くには 【左丁本文】 ハブ草(さう)を多く植(うゝ)べし《割書:此草の漢名(カラナ)蛇滅門草(ジヤメツモンサウ)|又/望江南(バウカウナン)ともいふ》蛇(じや)の類 遠(とほ)く逃去(にげさる)也此草を陰干(かげほし)にして蛇毒(じやどく)の薬(くすり)とする に大に功あり又/蒜(にゝく)の玉(たま)をその辺に埋(うづ)めおけば諸虫(しよちう)を 防(ふせ)ぐ烟草(たばこ)の茎粉(くきこ)などもよく虫(むし)を除(のぞ)く也/切虫(きりうじ)《割書:所|に》 《割書:よりて根(ネ)きり虫/芽(メ)きり虫とも|いふ後に蝉(せみ)になるむしなり》は石灰(いしばひ)の灰汁(あく)を澆(そゝ)ぐべし 皆(みな)死(し)するなり柑子類(かうじるい)の葉のうらに砂(すな)のごとく 小(ちひさ)き虫のつく事あり早(はや)く水を以て洗(あら)ひさるべし 捨(すて)おけば害(がい)をなす也又ひらめなる虫を生(しやう)ずる事有 蒜(にゝく)の汁/魚(うを)の洗(あらひ)汁/硫黄(いわう)石灰(いしはひ)の類/皆(みな)よく除(のぞ)くべし 菘大根(なだいこん)の虫は毎朝(まいてう)取尽(とりつく)してよし甚(はなはだ)しき時は硫黄(いわう) を少し葉(は)にふりかけて除(のぞ)くべし木蝨(あぶらむし)の集(あつま)り毛虫(けむし) のつきたるは大に害(がい)をなすもの也/卵(たまご)のうちに冬(ふゆ)の頃 取棄(とりすつ)べし又除く時は鉄炮(てつはう)の薬(くすり)を集(あつま)りたる所に 【枠外丁数】百十八丁