翻刻!江戸の医療と養生

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広益秘事大全 3巻. [5] - 翻刻

広益秘事大全 3巻. [5] - ページ 20

ページ: 20

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【右丁頭書】 右にあぐるものは誰(たれ)も知たる事 にて珍(めづ)らしからぬ事なれども 片山里(かたやまざと)などにては時として日々(にち〳〵) のばん菜(ざい)にも思ひ付のなきこと あるものなればとてあら〳〵 その仕方(しかた)を挙(あげ)たる也されど又 臨時(りんじ)の客(きやく)などあらんをりの心 得にもとて一汁(いちじう)一菜(いつさい)の料理(れうり) 年中(ねんぢう)の事どもを左(さ)に出すさ れど是またあながちに拘(かゝは)り なづむべからず是を見て思(おも) ひ付(つき)有合(ありあは)せたる物にて手がろく 気転(きてん)よくして早(はや)く間(ま)にあふ を専(もは)らとすべしすべて素人(しろうと)の 料理(れうり)献立(こんだて)は念(ねん)の入/過(すぎ)て手 もとのおそきはわろきもの也/早(はや)く 間(ま)にあひてきれいなるをよしとすべし 【左丁頭書】 【項目枠】 正月       同        同 煮物(にもの)       なます皿(さら)    汁(しる) 【一列目枠】 白うを      鯛うす      小かぶら  うど       づくり      つみ入   たんざく   きくらげ 玉子とぢ       せん   にして    大こん      赤がひも 浅草のり      くり       よし            せうが 【二列目枠】 鴨(かも)        なまこ      ねいも  ねぎ       おろし      うど みさん椒(せう)        大根 或は       茗荷(みやうが)       又 千/牛蒡(ごばう)        たけ      かまぼこ  もよし      生姜(しやうが) 【三列目枠】 まてがひ     きすご      白うを   くわゐ     赤がひ      わかな  つく〴〵し   めうど      又あゆご 或は        ばうふう     ほうれん  あはび     せうが          草   わかな  こしやう 【四列目枠】 はんぺい     いかせん     やきどうふ  みつば      大根たん     さいのめ に椎たけ         ざく  おとし玉子   木くらげ     はらゝご 木のめ        うど      或は 又        せうが        ほしこ  かまほこにても   しそ 【右丁本文】  仏掌藷(つぐいも)は四月比切て灰をつけ山地(やまぢ)の畑(はた)を四五  寸(すん)ほり土をよくこなし竹(たけ)の葉(は)を多くまぜてうゑ  おき蔓(つる)出て後/人糞(にんふん)を入べし 一/甘藷(さつまいも) 砂地(すなぢ)にて作るもの味(あぢ)よし多くは海島(かいたう)よ  り出すなり暖地(だんち)ならざれば生(はえ)がたし四月うゑて  後/蔓(つる)一二尺になればまげて地(ち)へふせ土をかくれば  節(ふし)より根(ね)を生ずる也かくのごとく度々してよし  此物/肥(こやし)を用ひずして尤/得益(とくえき)あるもの也 一/瓜(うり) 白瓜(しろうり)胡瓜(きうり)甘瓜(あまうり)【左ルビ まくは】醬瓜(まるづけ)など種々(しゆ〳〵)あり大抵(たいてい)  三四月/種(たね)をまき一寸ほどの時/畑(はた)へうゑ垣(かき)を結(ゆひ)て  はひかゝらする也/甘瓜(あまうり)などは麦(むき)わらを敷(しき)てははせ  おくよしどふの泥(とろ)に人糞(にんふん)をまぜそゝぐべし一尺  ほどになり蔓(つる)出ればしんのさきをとめてよし 【左丁本文】  又/干鰮(ほしか)を粉(こ)にして砂(すな)にまぜ根廻(ねまは)りに入るもよし  種(たね)をたくはへおくには冬より熱(あつ)き牛糞(うしのふん)にまぜ  置き凍(こほ)らせて後少しめりある日陰(ひかげ)におけば蒔  て後(のち)大に栄(さか)ゆるものなり 一/冬瓜(とうくわ)【左ルビ かもうり】 灰(はい)に小便(せうべん)をうちて泥(どろ)にかきまぜ地に厚(あつ)く 【挿絵】 【枠外丁数】百廿八