翻刻
【右丁頭書】
○焼蛸(やきだこ) たこの足(あし)つぶ切にし
てしやうゆをつけ焼(やき)にす
○ふくさ芋(いも) 小(ちひさ)きつぶ芋(いも)を
ざつとゆにをし湯(ゆ)をすて酒(さけ)醬(しやう)
油(ゆ)等分(とうぶん)にして一にえ【ゑヵ】して火
を引/炭火(すみび)を入おき半時(はんとき)ばかり
して出す時/葛(くず)をひきわさび
○琉球(りうきう)みかん りうきう芋(いも)
ゆでゝ皮(かは)をさりすりつぶし
みかんの形(なり)につぐね青(あを)のりの
粉(こ)にまぶす軸(ぢく)はみかんの葉を
つくるなり
○浜(はま)みやげ 小き鱧(はも)のひれ
をとり尾(を)のかたばかり随分(ずいふん)薄(うす)
くこぐち切にしてざつと湯(ゆ)を
とほし味噌酢(みそず)にすればほね
やはらぐ也/向付(むかふづけ)によろし
【左丁頭書】
○甘(あま)まひ 冬大根(ふゆだいこん)のふときを
二寸ばかりに切/炭火(すみび)にて酒煮(さかに)
にし出す時/味(あぢ)をつけみそかけ
○ふくさあへ 牛房(ごばう)をあらひ
よきほどに切よくゆでゝ鍋(なべ)に
そのまゝゆで湯(ゆ)につけおき半(はん)
日ばかりもして湯(ゆ)をすてごま
みそにてあへる也
○きせ綿(わた) 生鮑(なまあはび)のわた大
なるをしほ少し入ゆでゝさまし
糟(かす)に塩(しほ)をしてつけおく也
○精進鮑(しやうじんあはび) 松(まつ)たけのぢく太(ふと)
きをあはびのかたちにきり
生(き)しやうゆにて煮(に)たてに薄(うす)く
切しやうが酢(す)にて用ゆ
○早青豆(はやあをまめ) そら豆の実(み)のいらざる
を弾(はぢ)き■【て】ゆ■■■【にさし】のつべいに用ゆ
【判読不能分の補足は早稲田大学図書館公開本による】
【右丁本文】
一/麦麩(しやうふ)を粥(かゆ)のごとく煮(に)て塩少し入/冷(ひや)し
おき新(あたら)しき瓶(かめ)に入/桃(もゝ)のかたく新(あたら)しきをとり
右の中へいれ口をよく〳〵封(ふう)じおくべし冬
の比(ころ)取出すに新(あたら)しき桃(もゝ)のごとし
○大根(だいこん)を貯(たくはふ)る方
一/大根(だいこん)のふときを洗(あら)はずして青頭(あをがしら)を切すて
鉄火箸(かなひばし)を赤(あか)く焼(やき)てその切口(きりくち)をすりてやき
【挿絵】
【左丁本文】
壺(つぼ)の内へいれ別(べつ)に茶碗(ちやわん)に水を盛(もり)て壺(つぼ)の
口におき蓋(ふた)にして若(もし)水(みづ)もれ減(へ)る事あらば
心を用ひて入たすべしいつ迄もたもつ也
○栗(くり)を貯(たくはふ)る法
一/栗(くり)はいかやうにたくはへても芽(め)の出るもの也
然(しか)れども一方(いつはう)あり能(よき)栗(くり)を大なる壺(つぼ)の口
細(ほそ)きに一ッづゝ入て口にかたく切(きり)わらをこみ
此(この)壺(つぼ)をさかしまに砂地(すなぢ)におくべし何時(いつ)まで
も損(そん)ぜず用ゆる時取出し跡(あと)をもとのごとく
にして風(かぜ)のすかぬやうにすべし
○餅(もち)を久しく貯ふる法
一/寒水(かんのみづ)一斗に塩(しほ)八合入れ釜(かま)にてせんじ
さまして餅(もち)の乾(かわ)きたるを上に付(つき)たる粉(こ)を
【枠外丁数】百四十五