翻刻!江戸の医療と養生

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広益秘事大全 3巻. [5] - 翻刻

広益秘事大全 3巻. [5] - ページ 38

ページ: 38

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【右丁頭書】  菓子(くわし)の製(こしら)へやう【枠囲】   飲食(いんしよく)の事のついでに菓子(くわし)   の製法(せいほう)をいさゝかこゝに抄出(せうしゆつ)   すこれ亦(また)近来(きんらい)はさま〳〵の新(しん)   製(せい)いできて価(あたひ)貴(たつと)き物もあ   れど畢竟(ひつきよう)は奢侈(おごり)のたねと   なるべき事なれば強(しひ)ても出   さず唯(たゞ)昔(むかし)より有来(ありきた)りたる   やうの物ばかりを挙(あぐ)るなり ○かすていら 玉子(たまご)丸(まる)にて百目 皮をさり麦(むぎ)の粉(こ)百目入すり鉢(ばち) にてよくすり白砂糖(しろさたう)を竹(たけ)の とほしにてふるひて百十五匁入れ よくすりて火鉢(ひばち)に火をして 四隅(よすみ)に火をいけさて焼(やき)なべに よきほどの板篗(いたわく)をつくりて其(その) 【左丁頭書】 内へ厚紙(あつがみ)を箱(はこ)にして敷(しき)右の 玉子をながし右の火にかけ上に 渋紙(しぶかみ)のふたをしてしばらく置 ばなべの内へあたゝまり入る其時 火蓋(ひぶた)にかろき火をして真中(まんなか)を すかしぐるりに火を置(おき)火ぶた をしてやく右の火気(くわき)まはれば 段々かすていら浮上(うきあが)り色(いろ)づく 時竹をほそくわり所々(ところ〴〵)へさし こみかげんを見やけとほりたる時 は右の竹にあぶらけなくなる其時(そのとき) 鍋ともにさまし勝手(かつて)に切る也 火かげん上下共に和(やは)らかなるよし ○みそ松風(まつかぜ) うる米(ごめ)の粉(こ)一升 餅米(もちごめ)の粉(こ)四合/白砂糖(しろさたう)三百目 ふるひ入れ山椒(さんしやう)の粉(こ)二拾匁/味噌(みそ) のたまり百目いれ団子(だんご)のかたさ 【右丁本文】 水にてあらひ落(おと)しよく乾(かわか)して後右の寒水(かんのみづ) につけおくべし但(たゞし)壺(つぼ)に入てよし如此(かくのごとく)すれば 水を替(かふ)る事なくして久しく味(あぢ)損(そん)ぜず  ○霜柿(つるしがき)を貯ふる法 一/美濃(みの)つるしを久しく貯ふるには葉茶壺(はちやつぼ) の底(そこ)に柿(かき)を並(なら)べ其上に葉茶(はぢや)をいれ置べし 其(その)茶(ちや)も又久しく味(あぢ)かはらぬ也  ○万年浅漬(まんねんあさづけ)の方 一/大根(だいこん)《割書:百本|》塩(しほ)《割書:三升|》麹(かうじ)《割書:二升|》砂(すな)《割書:一升|》砂(すな)は川 砂の清(きよ)き米粒(こめつぶ)ほどなるがよし常(つね)のごとくに 漬(つけ)ておもしを置べし四月より夏(なつ)の中(うち)用 ひて味(あぢ)かはらず  ○栗子(くりのみ)のたくはへ様一方 【左丁本文】 一/寒水(かんのみづ)にひたし置いつまでも水をかへず 漬(つけ)おき入用次第つかふべし芽(め)を出さずまた 腐(くさ)ることなし又方/赤銅(あかゞね)の薬鑵(やくわん)にいれ蓋(ふた) をよく〳〵してつりおくべし  ○蕃椒(たうがらし)のたくはへやう 一たうがらしを塩漬(しほづけ)にしてたくはへおけば いつまでも生(しやう)にてたもち生(なま)のごとく風味(ふうみ)も かはらず但(たゞし)青(あを)きうちに漬(つく)べし  ○紅生姜(べにはじかみ)のつけやう 一はじかみをあらひて水気(みづけ)をさりて後 梅酢(むめず)に漬(つく)る也其時/芥子(からし)を少し絹(きぬ)につゝみ て底(そこ)に入おくべし年(とし)を越(こえ)てもかびずして 色(いろ)よし又方/米醋(こめす)一合/黒豆(くろまめ)半合をせんじ 【枠外丁数】百四十六