翻刻
【右丁頭書】
たるは白色(しろいろ)なる魚肉(うをのみ)と取合よし
いづれもゆでゝあくを出し用ゆ
○蕗(ふき) 汁はからしなど入てよし
もろこ【みヵ】の汁に殊によろし又/煮〆(にしめ)
て焼豆腐(やきとうふ)竹子(たけのこ)などゝ同しく用ゆ
ひたしものあへものにもよし葉(は)を
すらぬ焼(やき)みそにてあへるをほろあへ
といひて面白(おもしろ)きもの也
○わけ葱(ぎ) ゆでゝ酢(す)みそあへに
にし貝(かひ)のむき身(み)飯(いひ)だこ鯨(くじら)のせんじ
がらなど用ゆる常(つね)のことなり
精進(しやうじん)は油(あぶら)あげを入てよし
○蕨(わらび) 汁からし吸口(すひくち)油あげと
煮(に)てよろし又あぶらづよき魚(うを)
と同しく煮(に)たるもよしひたしもの
にしても用ゆべし
○若牛蒡(わかごばう) にしめて用ゆ或(あるひ)は
【左丁頭書】
ゆでゝ酢(す)しやうゆをかけ用ゆ
又/葉(は)のぢくをにしめてもよし
○葉(は)にんじん ひたし物/胡麻(ごま)けし
などかけてよし上品(じやうひん)なり
○かいわり菜(な) 大根(だいこん)のかいわり
殊(こと)によろし汁にして唐(たう)からしの
吸口(すひくち)よしあさき魚(うを)ととり合せて
大によし油上(あぶらあげ)かつをなどにて平(ひら)に
用るも上品なりひたし物にも
少々は用ゆまびき菜(な)も同じ但(たゞし)
のび過(すぎ)るほど下品となる也
○平豆(ひらまめ) 胡麻(ごま)あへ白(しら)あへ共(とも)に
よろしにしめにもすべし平(ひら)の取
あはせにも上品なり実(み)の入/過(すぎ)た
るはうまけれども品(しな)おとれり
○さや豆 そら豆(まめ)をさやなりに
煮(に)て用ゆあへものにしめなどによし
【右丁本文】
すべし又つぎたる砧(だい)の切口(きりくち)に蠟(らう)をぬりておくべし
水をはぢきて朽(くち)ぬため也/墨(すみ)をぬるもよし扨
接(つぎ)やうは梢(ほ)は大根(だいこん)の切口(きりくち)にさし《割書:此法/遠(とほ)き所へほを|持ちかへるに甚よし》或は
水にいけ置/砧樹(だいき)を切その切口の鋸目(のこぎりめ)を小刀(こがたな)にて
よくけづり暫(しばら)くしてつぐべし《割書:これは木口(こぐち)の水気(みづけ)を|さりてつぐ也木によるべし》さて
砧(たい)の木口(こぐち)を心(しん)と皮(かは)との間を小刀(こがたな)にて竪(たて)に一寸ほど
けづる様にへぐ也/加減(かげん)尤(もつとも)大事也/心(しん)へふかく削(けづ)りこめば
つかぬもの也其時は又/他(た)の所(ところ)を削(けづ)り直(なほ)すべし
さて梢(ほ)さきを二寸余に切/片々(かた〳〵)の皮(かは)を心(しん)にかゝらぬ
やうに竪(たて)にけづり其まゝ口に含(ふく)む也/砧(だい)のけづりめ
と同し寸にけづる也/外(そと)の方をはすに切すてゝけづりめ
の方を砧(だい)の心(しん)にあてゝ挿(さしはさ)みその上を打わらか麻(を)
にてほの動(うご)かぬやうにまくべし柿(かき)梅(むめ)などかたき木は
【左丁本文】
【挿絵】
【枠外丁数】百十四